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企画と制作を両立できるようになるまで

2025/04/29

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企画と制作を両立できるようになるまで

こんにちは。合同会社元就・代表の毛利直史です。

2011年にこの業界に飛び込んでから、あっという間に15年という月日が経ちました。

振り返ると、本当に色々なことがあったと感じています。

今でこそ、合同会社元就の事業の柱として、「企画」と「制作プロデュース」という、

性質の違う二つの領域を行き来する毎日を送っていますが、

実はそれがちゃんと出来るようになったなと感じたのは昨年からです。

2011年当時、僕のキャリアの始まりは、テレビ番組のアシスタントディレクター。

完全に「制作」一筋で目の前の「つくる」ことに集中する日々でした。

そして、企画という仕事は、制作とは相反するものなので、自分には縁がないものだとずっと思って生きていました。

 

制作として感じた「企画」との違い

 

 

制作は、「絵にかいた餅」として誰かが描いたアイデアやイメージを、どうすれば具体的に、

ちゃんと「目の前の現実」に落とし込んでいくか、という仕事です。

企画は、そもそも「それが現実的かどうかはいったん横に置いて、自由に発想し、新しいアイデアの可能性を探る仕事」です。

だから、使う頭の場所が全然違います。そもそも相反するものだと、いまでも感じています。

そんなわけで、自分には企画の仕事はできないと思っていましたし、積極的にやりたいという気持ちもまったくありませんでした。

制作としてひたすら「つくる」現場で技術を磨き、どうすればもっと効率よくいいものがつくれるか。そんなことばかり考えていました。

飛び込んだ「企画」の世界

 

 

ところが、人生思い通りにならない出来事が多く起こります。

いろいろと、そうも言っていられない「会社の状況」や「世の中の流れ」といった、避けては通れない事情があり、

本腰を入れて企画という領域に、自分で飛び込んでいかざるを得なくなったのが、今から5年ほど前のことでした。

苦手意識はありましたが、「やるしかない」という状況でした。

いざ企画の世界に足を踏み入れてみると、そこは、まさに「0を1にする」作業の連続だと感じました。

まだ何もない、真っ白な状態から「そもそも、何を作る必要があるんだろう?」「それは誰に届けたいんだろう?」

「どうなったら、みんなが喜んでくれるかな?」といった、根本的な問いと向き合う毎日です。

世の中の動きや、人が心の奥で「こうなったらいいな」と思っていること、まだ誰も気づいていないチャンスの種…。

目に見えない、すぐに掴めないものを相手にしながら、色々なアイデアを頭の中でこねくり回して、新しい考えの幹を作り上げていく。

最初は戸惑うことばかりでしたが、少しずつ、新しい何かを生み出そうとする時の、

ワクワクするような期待感も感じられるようになっていきました。

制作と企画、二つの視点がつながる時

そして、企画と制作、この二つを経験する中で、当初感じていた「相反する」という感覚は徐々に、

「お互いが支え合って、初めて良いものが生まれる」という感覚へと変わっていきました。

長く制作の現場にいた経験があるからこそ、企画を考える時に「このアイデアは面白そうだけど、

実際に作るには、ここにこんな工夫や壁がありそう」とか

「これくらいの規模で作るなら、これくらいの時間や予算が必要になるな」というように、

「絵にかいた餅」を、現実のどこまでで、どんな風に実現できるか、逆算して考えられるようになったのです。

逆に、企画の段階から「なんでこれを作るのか」「これで誰を笑顔にしたいのか」という目的やゴールをちゃんと理解していると、

制作の現場でも、単に言われたものを作るだけでなく、「この目的なら、もっとこうした方が伝わるんじゃないか?」

「もっと良くなるために、この部分をこう工夫してみよう」と、

自分で考えてより伝わるもの・成果につながるものを作ろうという気持ちが強くなるように思います。

これは、僕のような企画や制作といった仕事に限った話ではないかもしれません。

何か新しいことを考え出す時の「かんがえる(0→1)時間」と、それを実際に形にしていく「つくる(1→10)時間」。

目標を「よし、ここに決めよう!と設定する時間」と、そこへ向かって「一歩ずつ進んでいく、具体的な行動の時間」。

毎日の色々な場面で、この「かんがえる」ことと「つくる(実際に行動すること)」は、どちらか一方だけでは成り立たず、

バランスや、二つを行き来する視点が、きっと大切な力になるのではないか、と感じています。

時々、そんな風に頭の中を「かんがえるモード」と「つくるモード」で行ったり来たりしていると、

そのギャップに自分でも面白さを感じることがあります。

例えば、さっきまでクライアントと膝を突き合わせて、今後の事業の柱になるようなコンセプト開発のためのプレゼンしていたかと思えば、

次の瞬間には、全く別案件の現場仕込みで数十人分のお弁当を発注している…。

こんな両極端とも言えるタスクを、一人の人間が、しかも一日のうちに行ったり来たりしているというのは、もしかしたら、

制作プロデュースという仕事の中でも、少し特殊な環境にいる僕ならではのことかもしれません。

15年目の手応え

キャリアを重ね、こうして15年という節目を迎えるにあたり、改めて思うことがあります。

当初は苦手で避けていた「企画」という世界にも飛び込み、そして長くいた「制作」の視点も大切にしてきた、これまでの経験全てが、

今の自分を作ってくれているのだと感じています。

そして、この二つの視点を行き来し、日々バランスを取りながら物事を進めていく中で、

15年経った今、ようやく「自分は企画も制作も、両方の視点を持って取り組めるようになった」と、

少しだけですが、胸を張って言えるようになった。そんな手応えを感じています。

これは、自分一人の力というよりは、様々な人との出会いや、たくさんの試行錯誤の積み重ねによって得られた、何よりの財産です。

制作と企画の両方にそれぞれ師匠がいるというのもなかなかのレアケースだと思います。

これからもこの「かんがえる」視点と「つくる」視点の両方を大切に、目の前のこと、そして少し先の未来を、

クライアントやスタッフとともに汗をかき、悩み抜きながら、面白く、形にしていきたい。そんな風に思っています。

というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました。

良かったらロゴと名前だけでも覚えて帰ってください。

 

毛利直史

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